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Gakushuin University

『カレー味のウンコかウンコ味のカレー、どっちがいい?』

1.はじめに

『カレー味のウンコかウンコ味のカレー、どっちがいい?』誰もが聞いたことはあるだろう。どちらを選んでもほぼ同量のデメリットを負わなくてはならないのが特徴であって、まさに究極の二択である。あるインターネットの記事では"永遠のテーマ"とまで揶揄されていた。そんな究極の二択に関して思うところがある。「カレー味のウンコ」か「ウンコ味のカレー」以外のワードでこの疑問文と同質の疑問文を量産できないかということである。意外と簡単そうに見えるが中々できないのである。そこで今回はこの究極の二択を考察し、その性質を理解するとともに、同質の疑問文が成り立つかどうかの検証を改めて行いたいと思う。ここで勘違いしないで欲しいのは、この記事がどちらを選択したら徳かどうかを考察する目的ではないということである。そんなことはどうでもいい。

 

2.定義

 考察及び検証に入る前に、この記事において目指す所の「同質の疑問文」とは何かについて予め定めておく。一口に同質と言っても、文章構成のみが同じであればよいとする考え方や、意味合いさえ同じであればよいとする考え方など様々である。したがって、その幅の広さから結論にブレが生じる可能性がある。そのためこの記事において追求する「同質の疑問文」とはなにかを予め定義しその幅を一定の範囲に狭めておく必要がある。定義の結論から言うと、今回は文章構成及び意味合い、その両方において同質であるものを「同質の疑問文」とする。つまり《○○味の△△か△△味の○○どっちがいい?》という文章構成であって、且つ『カレー味のウンコかウンコ味のカレーどっちがいい?』というどちらを選んでもデメリットを迫る意味合いでなくてはならない。因みに最後の『どっちがいい?』は当然"食する"においてである。ケースに飾るのはどっちがいい?ということではない。もう一点、カレーとはご飯付きのものである。それならばカレー"ライス"ではないかと反論する愚か者がいるかもしれないが、一般的に「カレーを食べる」と言って想像するのはカレーのルーだけであろうか?わざわざカレーライスと言わなくてもカレーにご飯が付いてくるのは一般的と言って過言でない。したがって、この記事ではカレーにご飯を付けることとする。本題に戻る。定義について分かりやすいよう例を挙げると、「豚に真珠」と「猫に小判」の関係がそれにあたる。文章構成と意味合い、両方において同質である。私は『カレー味のウンコかウンコ味のカレーどっちがいい』においても、その関係を実現させたいのである。辞書の厚さから察するにその組み合わせはほぼ無限に近い。カレーとウンコにこんな沢山のワードを代入できるとは、なんて贅沢なのだ。こんなにも可能性満ち溢れる検証が今まであっただろうか。

 

3.文章考察

 元の疑問文を徹底的に考察することで、同質の疑問文が成り立つかどうかへのアプローチを行いたいと思う。はじめに『カレー味のウンコかウンコ味のカレーどっちがいい?』この疑問文を『A味のBかB味のAどっちがいい?』と考えるとする。Aに当てはまるものは元の文ではカレーである。つまり、あるものをAとするには以下の条件を満たさなければならない。

【Aの条件】

  • 料理である
  • 食材ではない
  • 食欲をそそる良い匂いである
  • 味が保証されている(美味しい)
  • 空腹を満たすことができる

一方、Bはウンコであり、あるものをBとするには以下の条件を満たさなければならない。

【Bの条件】

  • 食べる行為を前提として作り出されたものではない
  • 空腹を満たすことができる
  • 不味い(実際に食した方によると苦いらしい)
  • 臭いが強烈(臭い)
  • 見た目が食するに適していない(不潔)

そして以上の条件を踏まえた上で、AとBが今回の疑問文の関係になるには以下の条件を満たさなくてはならない。

【AとBの関係の条件】

  • 見た目が似ている
  • 見た目が似ているが、完全に同じではない(カレーとウンコを本気で間違える可能性はかなり低い)

これが最小単位のAとB及びそれらの関係になりうるための条件である。ここまでをまずしっかりと理解して欲しい。単にカレーとウンコの説明だと思ってもらって構わない。そしてここから以上の内容を応用していく。カレーとウンコの次元を超えるのだ。元の疑問文を大まかに捉えると当然『X or Y』である。我々は今そのXとYの半分を捉えたに過ぎないのだ。ここからは元の文における"X"、即ち「カレー味のウンコ」と"Y"「ウンコ味のカレー」になりうるための条件を整理をしていく。

【X(カレー味のウンコ)の条件】

  • 食欲をそそる良い匂いである【A】《嗅覚》
  • 味が保証されている(おいしい)【A】《味覚》
  • 空腹を満たすことができる【B】《質量》
  • 食べる行為を前提として作り出されたものではない【B】《視覚》
  • 見た目が食するに適していない(不潔)【B】《視覚》

【Y(ウンコ味のカレー)の条件】

  • 料理である【A】《視覚》
  • 食材ではない【A】《視覚》
  • 空腹を満たすことができる【A】《質量》
  • 不味い【B】《味覚》
  • 臭いが強烈(臭い)【B】《嗅覚》

以上のようになる。そしてこのことからXとYはAとBの味覚的・嗅覚的条件と視覚的条件をそれぞれ入れ替え融合した形であることが分かる。一応言うと質量的条件も入れ替わっているが、空腹を満たすことができる点はどちらも共通なので、その点において変化は起きない。以上の入れ替わりの結果を分かりやすく言うと、XはAの味と匂いであって、Bの見た目でなくてはならない。対してYはBの味と匂いであって、Aの見た目でなくてはならない。当然だと思う方が多いかもしれないが、ここまで徹底的に条件付けを行わないと、誤った関係を生み出してしまう可能性があることを理解していただきたい。そして、それらの質量は見たそのままの質量である。(例:カレー味のウンコだったらウンコそのものの質量)以上の条件から、XとYの関係となりうるための条件を導くことができる。

【XとYの関係の条件】

  • 見た目が似ている【AとBの関係】
  • 見た目が似ているが、完全に同じではない【AとBの関係】
  • Xが視覚的デメリットを有し、それと同等の味覚的及び嗅覚的デメリットをYが有すること【X】【Y】
  • Xが味覚的及び嗅覚的メリットを有し、それと同等の視覚的メリットをYが有すること【X】【Y】

とにかく、XとYはメリットとデメリットがお互いに均衡し、見た目が似ても似つかぬもの同士であればよい

以上がA、B、AとBの関係、X、Y、XとYの関係の条件である。もちろん同質の疑問文を成り立たせるためにはこの条件を全てクリアしなければならない。ここでどのような過程で条件が満たされていくのかを確認していきたい。まず、Aが満たされるとするとX、Yの半分も同時に満たされる。次にBが満たされるとX、Yのもう半分が満たされる。つまりAB両方満たされるとXYもそれぞれ満たされる。そしてXY両方満たされるとXとYの関係も満たされる可能性が生まれる(メリットデメリットが均衡及び見た目が類似していなければ満たされない)。最後に残るのはAとBの関係であるが、XとYの関係にそっくりそのまま入っているので考慮しない。まとめると以下のようになる。

『A→Xa、Ya

    B→Xb、Yb

   →X(Xa,Xb)、Y(Ya,Yb)

   →XとYの関係(AとBの関係)』 

この条件の過程を全てクリアできれば「同質の疑問文」は成り立つと言えよう。

 

4.検証

 Aは料理全般で幅が広いので、選択肢の少ないB(汚物)から選定していく。

①おしっこ

 ウンコとハッピーセットのおしっこであるが、空腹を満たすことができないので門前払いである(Bの条件)。仮に通ったとしても、Aを緑茶等にしてしまうと本当に似すぎて見分けがつかない(XとYの関係の条件)。それだったら緑茶味のおしっこを飲めばいい話である。

②ゲロ

 まさかのダークホースであった。あっさり条件をクリアしてしまったのである。対するAはシチュー。これまたウンコとカレー同等の似ても似つかぬ関係。そしてXとYの関係におけるメリットデメリットの均衡も難なくクリア。究極の二択界の新スター誕生である。

③泥

 汚物とまでは言えないかもしれないが、臭い泥は確かにある。だが、生憎対するAに当てはまるものがカレーぐらいしかなく、彼はもうウンコに取られている。特にそういう決まりはないが、既出のものに合わせていくのも芸がないので棄却。デメリットとメリットの均衡もあまり取れていない(XとYの関係の条件)。食用の泥(土)も販売されているらしく適切ではないだろう(Bの条件)。ウンコには勝らない。

④人の死体

 なんとも不謹慎だが、一応Bの条件は満たす。しかし、お相手が食材止まりになってしまう(鶏肉、カエル肉など)(Aの条件)。というか人の肉を食べるというのは、視覚的・味覚的デメリットよりも倫理的な問題の方が食欲を失せさせるのではないか?

⑤虫

  普通に美味しいらしいので却下(Bの条件)。

⑥金玉

  普通に美味しいらしいので却下(Bの条件)。

⑦鼻くそ

 相当な量が無いと空腹を満たせないので却下(Bの条件)。あんま食べすぎると病気になる可能性もあるらしい。しかし、食べる為に彼は生まれてきたと思わせるほど、小学生はよく食べる。故にポピュラーな食べ物と言えてしまうのが残念(Bの条件)。もし仮に組ませるとしたらグミが一番良いだろうか(料理ではないので却下)(Aの条件)。

 

 本当に申し訳ないのだが、Bに当てはまる汚物がこれくらいしか思いつかなかった。冒頭で"可能性満ち溢れる検証"などとほざいていたのが懐かしい。自分で条件を作り上げていくうちに、ほとんどの単語は候補から消えていってしまったのである。全く心踊らないではないか。しかも"量産"とまで言い張っていたのは些か反省である。なにはともあれ、量産はできなかったにしろ、新しい同等の疑問文を作ることには成功した。『シチュー味のゲロかゲロ味のシチュー、どっちがいい?』最高の響きではないか。『シチュー味のゲロかゲロ味のシチュー、どっちがいい?』斜体にすると尚一層美しく感じる。『カレー味のウンコかウンコ味のカレー、どっちがいい?』に負けない文の正統性である。これからはゲロシチュー版を使っていこうと思う。また、これは偶然の発見なのだが、なんとこの2つは組み合わせることができる。『ウンコ味のカレーかゲロ味のシチュー』『カレー味のウンコかシチュー味のゲロ』『ウンコ味のカレーかシチュー味のゲロ』『カレー味のウンコかゲロ味のシチュー』これらに関してはどれもメリットデメリットが均衡している。(先2つは、同じ種類のメリットデメリットがぶつかり合っている)これまた面白い話である。まさに究極。もし量産に成功すれば、より多くの組み合わせが生まれるだろう。その可能性の為にも読者の方には、まず汚物探しから頑張っていただきたい。